過去に投資の勉強をした時にずっと不思議な事があった。それは
「なぜ株価はあがるのか?」
ということ。初心者向けの本を読んでも、チャートの味方で「ゴールデンクロス」「デッドクロス」やら「MACD」「ボリンジャーバンド」など、こういうチャートになったら買え!と言うような文脈のものしか見当たらない。うーん、チャートの形で当たり安物があるのは何となく分かるが、根本的な要因に関してはよくわからない
ヤフー知恵袋に同じような質問をしてみても、
「投資家の心理によって」
というような曖昧な答えが帰ってきた。確かにそうなのかもしれないが、その投資家の心理は何によって変わるのかがピンとこない
また、決算の報道で「◯期連続増収増益!」というような報道があっても、翌日株価が下がっていることも結構ある
結局株の価値はどのような要因で変動するかが自分の頭のなかで体系的に結びついていない状態で、この頭のまま投資をしても結局負けるのだろうなぁということで本を読んでみた。その名も「なぜ株価は上がるのか?」
株価を左右する18つの要素
この「なぜ株価は値上がるのか?」は証券会社の新卒社員の女の子と、先輩のディーラー が対話形式で解説をしていくもの。非常に読みやすかったので一気に読めてしまった。一応勉強のためその要素を書き出してみることにする
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企業業績
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売上
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営業利益
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経常利益
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税引後利益(当期利益)
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1株(当たり利)益
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税引後利益を発行済み株式数で割ったもの
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規模のメリットに惑わされず、1株あたりのリターンを比較できる
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業績を比較するのに最も便利な指標
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1株配(当)
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ROE(return of equity)
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株主資本を使ってどれだけの利益を上げているのか見る比率
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最も経営者の優劣を判断できる指標とも
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CFPS(cash flow per share)
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企業が保有する現金、預金を発行済み株式数で割ったもの
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高すぎるCFPSはLBOの標的になる場合も
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社会的批判
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投資家動向
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出来高
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継続した出来高の増加は株価上昇の先行指標
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出来高の増加は新しい資本の流入を意味している
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株価上昇+出来高大=多くの資金が流入→相場が強い
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株価上昇+出来高小=流入資金が増えていない→弱さを内包
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株価下落+出来高大=資金が流出→相場が弱い
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株価下落+出来高小=流出資金に歯止め→強さを内包
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投信の設定
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投信の買いは長期保有を前提にした会なので選ばれた銘柄は好材料
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外国人動向
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インデックスの入れ替え
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ファンドの中にはインデックスなどの構成銘柄をそのまま組み入れている物がある
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インデックスファンドは銘柄の入れ替えがあると除外銘柄を売り、補充銘柄を新たに買い入れる
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景気動向
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GDP(国内総生産)
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マネーサプライ(通貨受給量)
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鉱工業生産指数
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大型小型店販売
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住宅着工件数
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機械受注
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卸売物価指数
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消費者物価指数
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通関統計
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失業率
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景気動向指数
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金利
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公定歩合
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ロンバードレート(債権担保貸付金利)
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公定歩合とロンバードレートは政策金利、、、日銀が調整する
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コールレート(オーバーナイト金利)
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スワップレート
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債権の利回り
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金利が上がると、、、
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企業の金負担額アップ
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景気悪化
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預貯金、債権の魅力高まる
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自国通貨高
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輸出のコスト増
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→株が下がる
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財政
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政府から民間への式放出が拡大すると緩和効果で「買い」
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民間から政府への資金の吸い上げだと引き締め効果で「売り」
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為替レート
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円建て資産の増加、外貨建て資産の減少
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円高になると国内の保有資産の価値が国際比較で増加する
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国際比較での日本株価も合わせて増加
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海外ファンドでドル建てやポンド建てなどで持っているポートフォリオで日本株の比率が増加
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一方、比率を一定に保とうとするファンドでは日本株が売られる
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円建て給与の増加、外貨建て給与の減少
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円高によって、国際的に見た個人の収入は増える
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内地だけで生産し、輸出に頼り切りのところは大きな痛手となる
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海外での輸出品の値上がり、国内での輸入品の値下がり
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円高によって海外で日本からの輸出品が値上がりすると、輸出企業の価格競争力が低下する、、、輸出比率の高いところは苦しくなる
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外国からの輸入品が安くなると、内需関連国内メーカーの価格競争力はなくなり、日本企業の競争力は低下する
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原油価格
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原油は産業の”コメ”である
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原油上昇、、、インフレ懸念
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インフレ懸念は金利の上昇を生むので、債権には売り圧力がかかる
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原油単価(ドル)が上昇する=ドルの実需増になり、円安方向への圧力がかかる
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原油高によるコスト圧迫=営業利益圧迫により、株式市場はマイナス方向に動く
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例外的に恩恵を受ける企業
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石油の元売り企業
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油井関連銘柄
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原油を確保するための荷動きの増加、洋上備蓄などの動きが出ると、造船所や海運業にもプラス
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省エネ関連銘柄
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代替エネルギー関連銘柄
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金利高、原材料高の影響を電力会社はもろに受ける
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ガソリン販売所などの収益を圧迫する
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国際情勢
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一般的に原油価格に影響しないかぎり、ここの企業によって国際情勢の扱い方はまちまち
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戦争や革命などによる国交断絶は進出企業には痛手
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戦争特需の恩恵を受ける企業もある
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海外の国では平穏な状態に加え、不安定な状態にもヘッジをかけられているが、日本はかけられていない。そのため「有事の際に円が売られる」
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国内政局
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税制の変更
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公共投資などの景気刺激策
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日銀の金融政策に与える影響での政府の姿勢や反対勢力
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と、かなり多岐にわたることはよくわかった。結局これらの要素が複雑に絡まり合い株価は変動しているのだなと。ただ、それぞれが特定の銘柄にどのような影響があるかまではわからなかった。というか多分本にならないぐらい膨大な情報だろうし、それこそ投資家心理など様々な要素が絡みつくので、「AがBになったら株価は上がる」みたいな方程式はないというところが実情なのだろう
もちろんこれらのことについて特に勉強しなくても利益が出せる天才トレーダーもいるのだろうけど、わからないまま投資してただただ資金を溶かすよりも、しっかり概念的に理解した上で投資に臨んだほうがリスクは低いだろうから、基礎的なところから勉強をしてみます
ざっくりと要素は把握したので次は為替がなぜ動くかについて勉強します
何も知識がないまま自分のお金を動かすのは、海図を見ないで海に出るような感じがする。見りゃいいのに見ないで失敗はしたくない。まずは為替について勉強をしてみようかなと思います
為替自体もそれ単体として割とメジャーな投資に分類されているし、まずは何によって為替が連動するかのメカニズムを勉強してみようかと思います
課題図書は、
から為替について読み進めていきたいと思います